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窓、その他 / 内山晶太

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四六判変形/並製/168ページ
定価:本体1,600円+税
ISBN978-4-86385-557-1
装幀:加藤賢策
出版元:書肆侃侃房

日々の労働と都市で生きる者の日常。他人からすればどうでもよいかもしれない、ただ、見過ごせないことやもの。

静かな内省を基底におきながら、希望と祈りが自然とわきあがる。

現代歌人協会賞を受賞した第一歌集、待望の新装版!



【収録歌より】

たんぽぽの河原を胸にうつしとりしずかなる夜の自室をひらく

口内炎は夜はなひらきはつあきの鏡のなかのくちびるめくる

少しひらきてポテトチップを食べている手の甲にやがて塩は乗りたり

湯船ふかくに身をしずめおりこのからだハバロフスクにゆくこともなし

わが胸に残りていたる幼稚園ながれいでたりろうそくの香に


【著者プロフィール】

内山晶太(うちやま・しょうた)

1977年、千葉県生まれ。1998年、第13回短歌現代新人賞。2012年、第一歌集『窓、その他』(六花書林)を刊行。翌年同歌集にて第57回現代歌人協会賞。「短歌人」編集委員。「外出」「pool」同人。現代歌人協会理事。

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淡々としたことばの並びを欲することが度々あって、それは自分としては低空飛行の時によくやってきます。
別に仕事もやれるし、日常のやるべきことはこなせるけれどなんとなく元気が出ない、かといって「大丈夫だよ!頑張りなよ!」と言われちゃうとため息が出るような時。
自分を昂らせるというよりも小石を積むように日々のほんの些細なことをよくみて、自分をミリ単位で取り戻していくような作業が必要だと感じる時に手に取りたいなと思った本です。
静かだけれど確かにそこにある、ありそうでいてなかなか出会えない本だなと思っています。

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