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林檎が木から落ちるとき、音が生まれる / エレナ・トゥタッチコワ

¥2,750 税込

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サイズ:A4変型
仮フランス装/フルカラー 
ページ数:72P
出版社:torch press
定価:¥2500+tax

『林檎が木から落ちるとき、音が生まれる』はエレナ・トゥタッチコワが幼少期の記憶をテーマに、ロシアの自然に囲まれて暮らす兄妹たちのかけがえのない夏の日々を、美しい風景とともに2009年から継続的に撮りためてきた作品群です。ロシアには夏の期間、祖父母が住む田舎の家や、「ダーチャ」と呼ばれる自然の家で過ごす習慣があり、寒い冬が訪れる土地で、夏という季節は特別な意味を持ちます。そして太陽が輝く夏がいつの間にか始まり去って行くように、あどけない少年少女たちも知らず知らずのうちに成長し大人になっていきます。そんなささやかな、けれど誰もが経験するであろう変化を、“林檎が落ちる音”という言葉が暗喩しています。刹那的でありながら懐かしく、記憶の奥に柔らかく触れる写真たち。国境を越えた普遍的な感性によって、清々しい一冊が生まれました。

――林檎が木から落ちた、それだけのこと。木にいたときも誰の目にも触れず、落ちても草の中に隠れたままの小さな林檎。その音だけがいつまでも記憶に残った。アーニャが11歳になった年の夏の終わり、彼女の髪の毛が一番長く伸びた8月のことだった。(あとがきより抜粋)


エレナ・トゥタッチコワ/Elena Tutatchikova
1984年、モスクワ生まれ、東京在住。モスクワでクラシック音楽や日本の歴史を学んだ後、東京藝術大学大学院美術研究科先端芸術表現専攻で学ぶ。自然と人間の関わりや文化的現象を通じて、人間の記憶がどのように形成されるかに関心を抱き、地域のリサーチを重ねることで土地や個人の物語を採集し、写真、映像、音、テキストによるインスタレーションとして構成している。主な展覧会には、個展「After an Apple Falls From the Tree, There is a Sound」 POETIC SCAPE(東京、2015)、東京写真月間「To the Northern Shores」 MUSEE F (東京、2015)、グループ展「はじまりのしじま “In the Beginning, Silence was Always Silence”」Takuro Someya Contemporary Art (東京、2015)、茨城県北芸術祭(2016)等がある。
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夏のうちにご紹介したかったのでよかったなと思っています。
昨今の過酷な気候ですっかり夏の印象が変わってしまいそうですが、頭の中にある夏の軽やかさ、清々しさのようなものを甦らせてくれるような写真の作品集です。
日本でなくロシアの土地でもどこかわたしたちと似た懐かしさを感じられる風景があるのかと興味深く、なんだかちかしさを感じられる一冊です。

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